かき氷シーズンであります。

ここ数年のかき氷人気はかなりのものでして、いつの間にかお店で800円とか900円とか払って、気合いの入ったシロップのかき氷を食べるのが当たり前な世界になっています。単なる練乳がけではなく、全体に染み渡るようなミルクシロップ、かぼちゃやさつまいも等のシロップをホイップクリーム的仕上げにしたもの、様々な果物のシロップ、スタンダードな抹茶や宇治金時、などなど。
かき氷のスイーツ化と高額化が進んでいます。何せ、単価1000円超えも割と当たり前にありますから。

依然として続々と、そうしたスイーツかき氷を提供するお店が増えているのは、今まさにブームの最中だから。
ハイシーズンの人気店は、2時間待ちの行列が当たり前にあると聞きます。(さすがにそんなに並んだことは私はありません。)

某ログなんかの口コミサイトを見ていると、「かき氷の機械や技術が貧弱だから提供に時間がかかり回転が悪い」といった批判が見られます。
これは私としては全く的外れな意見だと思っていて、提供時間を短縮すると、確実にかき氷の味のクオリティは低下すると考えています。「アイスクリームはガチガチに固まった状態ではだめで、適度に空気が入った状態の方が美味しい」みたいな話と同じことだと思うのであります。かき氷はアイスより分かりやすいもんで、氷を削って間に空間ができているものですので、こちらも所謂「食感」のようなものが味わいに大きく影響すると考えています。というか7割がた食感が味の要素を占めていると言っても過言ではないと思います。

意外に繊細な食べ物だなあ、と。
氷が削れれば何でも良いわけではなく、シロップが美味しければ良いわけでもなく、実は熟練した人が削ってくれたというのが大事で、人によって味が結構変わってしまうものだと思います。

ということで、人気店でも削る人が一人しか居なくて、時間はかかってもそこを貫き通すみたいなお店が美味しかったりします。

前置きは長くなりましたが(長過ぎ)、おやだまが独断で選んだかき氷を列挙してまいります。


東京都 国立 甘味ゆい(旧名称:たいやきや ゆい)
以前はたいやき店で、夏季限定でかき氷営業でしたが、2016年からたいやきや営業をやめ、店名も変更。少し器が小さくなったかも?
優しそうな男性の店主が削ってくれます。
IMG_9919

メモ:
カルダモンミルクシロップのかき氷が特徴的だが、レギュラーの抹茶系、餡も美味しく、フルーツ系も美味しいものがほとんど。
立地のせいかあまり過度に混まない、700円前後と値段が高くない等、良い点も多い。


東京都 西国分寺 クルミドコーヒー
7-8月あたりに限定で提供されるかき氷が良いです。
珈琲屋さんなのでコーヒーのかき氷。もう一つが果物系であることが多いようだ。個人的にはコーヒー推し。
IMG_8226
 
メモ:ビターなコーヒーシロップ、コーヒーゼリー、ミルクアイス、カフェオレシロップなど幾つかの要素で成り立っているパフェ的なところもある。
値段は高めだが、これだけ色々入っていて、しかもそれぞれの要素に気合い入ってて隙がない。


神奈川県 鵠沼海岸 埜庵(のあん)
あまり東京もんとしては行く機会の少ない場所にある謎のかき氷店。
何が謎って、提供が早め、つまり回転が速く過度に混まないのに、かき氷のクオリティは高いところ(上でダラダラ書いた理論に反していますね 笑)。
スタンダードな抹茶系がちゃんと美味しくて素敵。
 

埼玉県 熊谷 慈げん
超人気店です。
休み、臨時休業、臨時短縮営業あり。
スタンダードなかき氷の他に、変わり種なかき氷もあり、挑戦し続けるお店、などと表現されること多し。変わり種を食べてみて、かき氷の流行に一石を投じる作品もあるのだなと思いました。
個人的にはフルーツ系はミルク系よりも難しいと思っているのですが、フルーツ系も確実に一定水準を超えてくるのが凄み。商品を精査するこだわりが感じられます。
IMG_9048 


神奈川県 宮崎台 マユール
もともと紅茶屋さんのティールーム。
紅茶のかき氷を夏季に提供していたが、2015年頃から通年提供となり、かき氷店らしい商品の提供も開始。和三盆糖を使ったもの、ずんだ氷、甘酒など、和テイストの入ったものもあり。
人気店です。
ランチタイムにはインドカレーもあるのが個人的にポイント高し(笑)。しかも、インド米を添えた本格的なもので、スパイスの香りも良いカレーで美味しいです。「ランチタイムに」と書いたのは、夕方に行くとだいたい売り切れのため。
IMG_7504
 

栃木県 日光(今市) 松月氷室
天然氷の製造販売を行っている松月さんのお店でかき氷も提供しています。
いわゆる昔ながらのかき氷的なシロップが多く、いくつか最近のオシャレっぽいシロップや、数量限定ものがある。400〜600円程度と安価。
夏場はお店の裏手で受付、会計を済ませた後、お店の人の誘導で表に回る。オフシーズンはとても空いています。
シロップはそんなに精査された感じのものは少なく、キャラメル系など過度に甘いものもあるが、「きなこホイップミルク」という商品だけはかき氷業界全体を見ても頭ひとつ抜けるくらいのクオリティを誇っているように思う。
主任的な存在のお母さんの削り技術がやたらと高く、お母さんのきなこホイップミルクのクオリティが異常。氷を削る人によって大きく味が変わる、食感が味に大きな影響を及ぼす、と考えるようになったきっかけとなったお店です。また、中に入ってる白玉がやたら柔らかくて凄い。
オフシーズンはお母さんがだいたい削ってるし、お店も空いているのでオススメです。
IMG_7930


愛媛県 松山市 赤乃れん
ちょっとこの中では異色です。
松山市駅商店街にある昔ながらの甘味処。シロップは、昔ながらのシロップと、みぞれ、練乳、抹茶くらいしかありません。宇治金時クリームミルクという全部乗せ的なもので650円くらいなので安価です。オススメは宇治金時ミルク。クリームというのはバニラアイスがトッピングされるものなのでお好みで。
氷はこれまた昔ながらの機械削りなので何の変哲もないのですが、ここの凄いところはお店の女性が削った氷を固める力加減。カチカチになるでもなく、それでいてしっかり成形されています。横から食べていって残り半分になっても崩れない!この絶妙な固め具合が味にも影響しています。最近の流行である、薄く軽く削って口溶け重視、みたいなのとは逆行していますが、これはこれでかき氷の美味しさの極致ではないかと思います。
餡も自家製で美味しいです。
IMG_9436IMG_9437


埼玉県行田市 翠玉堂
超異色。
古民家を改装したお洒落パン屋さんなのですが、かき氷もやっています。独特の雰囲気の張り紙が特徴的。
パンは水分少な目で固めの、しっかり小麦が感じられるまっとうなパン。何でもかんでもパンに挟んでしまう惣菜パンがとても独創的。
かき氷はさらに独創的で、過去作で気になっていたのは「カレー」と「海老」。
訪問時は通常のいちご等の他、「焼きもろこし」「ヤングコーン」がありました(!)。焼きもろこしはお好みで醤油を、ヤングコーンは塩で、と調味料が出てきたのがまた凄い(しかも合う)。ヤングコーンは独特の青臭さがあり好みが分かれそうでしたがどちらも美味しくいただけました。
氷は店先に飾ってあった手削りの機械がそのまま厨房に運ばれていったのがまた衝撃。薄く、大き目に削られた氷は無造作の良さがありました。
IMG_0318IMG_0321
並350円、小250円