(8/30)

昨日はまさかの大フライングに批判殺到でした。
塩竈駅の近くにカレー屋さんはあまりないですが、宮城県には気になるカレー屋さんは幾つもあります。その中に、ひときわ評判の良いお店を見つけ、ずっと気にしておりました。
そのお店は、泉中央という、仙台から少し離れた住宅街の駅まで行き、さらにそこからバスで移動する必要があるという場所にあります。東北自動車道 泉IC近く。

実は、お世話になっていた渡邊リーダーのご実家からさほど遠くないところだったので、罪悪感に苛まれつつ単独行動を敢行。ランチタイムに突撃してまいりました。


【337日目】8/30
宮城県 泉中央 あちゃーる(インド料理、ネパール料理)

インド料理マニア

住宅街の真っ只中にお店はあります。駐車場は2台。これが埋まってると停めるとこ探すのに苦労をしそう。

このお店の最大の特徴は、お冷とメニューをもらって軽い説明を聞いてからやってきます。
この日用意されていたカレーは6種。
ノンベジ2種にベジ3種、メイン用ではなく追加用の辛たまカレー(スパイシーな、ゆで卵入りカレー)。
これを全て小さな器で味見させてくれます!その上で、カレー1種のつくダルバートか、カレー3種のセットの内容を選ぶことができるのです。

せっかくなので、カレー3種の方にしました(野菜のおかずが日替わりで何種類か付くとのことだったので)。
カレーは、チキン、アルタマ(ジャガイモと発酵タケノコ)、辛たまにしました。
ちなみにカレーの説明の時、タマは発酵タケノコを使うということを知る。酸味を入れたいから発酵したものを使うのだそうだ。なるほど。


詳しく説明をしてくれるマスターの話に食いつきつつ聞いていたら、少しはインド料理慣れしてると思われたのか、ターメリックライスを、黒胡椒のプラオ(ピラフみたいなもの)に代えてくれました。現地の言葉で名前がついててそれで教えてくれましたが、忘れてしまいました…。
色彩がとても美しいセットです。
ダルスープ、カレー3種、サグ(ほうれん草ペースト的なもの)に素揚げした野菜の乗ったもの、枝豆などの野菜をヨーグルトで和えたもの、野菜の冷製(ラタトゥイユ的なものではなく、チョエラ;野菜と肉の炒め物から肉を抜いたものだということです)、ダイコンとゴマのアチャール、あんずのチャツネ、プーリ(揚げパン)。

ネパール料理とインド料理を両方取り入れてる感じです。ダルスープをラッサムにかえたりもできます。

どれも美味しく非常に満足感あるものですが、混ぜても実に良し。特に辛たまカレーなんかは混ぜる用です。
基本的にカレーはレストラン的にある程度美味しく作ってあるので、ダルスープは箸休め的にさっぱりシャバシャバにしてあるのだとか。
プーリがすごくカリッとしてたのが印象的でした。余計な油感全くなし。

ターメリックライスのおかわりをいただき、さらに食べ進めました。ターメリックライスはかなりターメリックが強く、単体ではターメリック一色なバランスですが、他の料理を混ぜると良いバランスになりました。


食べながら、マスターからかなーり面白い話を聞かせていただきました。結構過激なことも言ってたのですごくざっくり書きますが(笑)。

カレーやらインド料理に興味を持つと、いわゆる一般に認知されているインドカレーとナンみたいなものはごく一部のスタイルしかないことを知ります。それどころか、インド人がじゃなくてネパール人が作ってたりすることもしばしばあることも(笑)。
その辺のことを知り、インド料理を色々食べてみようとすると、次に日本でメジャーな「南インド」の「ミールス(何種類ものカレーをセットにした定食)」に辿り着き、色々なインド料理レストランでミールスを食べるようになったりします。

日本で一般的なインドカレーに疑問を持って、南インド料理を知り、ミールスを食べる、というプロセス。これでインド料理体験の第一段階クリアだとすると、ここのマスターは、第一段階クリアの時点で止まってしまうことを危惧しておられます。
すなわち、北インド vs 南インドという図式。バターチキン&ナン vs ミールスという図式。本質的には、固定観念がひとつ増えただけで何にも変わってはいないのです。
第一段階クリアしただけで満足してしまい、ミールスも単なる一つのスタイルであることに疑問を持たず、ミールスを食べ歩くことに終始してしまい、無駄にインド料理屋に詳しくなる。
これでは、「インド料理マニア」ではなく「インド料理レストランマニア」である、とバッサリ。そもそも、どうしてミールスを出すレストランが多いかというと、コストがかからないからだ、って(笑)。

わたくし、現地のスタイルで料理を提供しているレストランは好んで訪問しますし、なるべく現地のスタイルを受け入れたいと思っていますが、気を抜くと只のインド料理レストランマニアになる危険は十二分にはらんでいます。
コンセプトを明確にはしていなかったので、良い警鐘になりました。ありがとうございました。

また、「おやだま的カレー屋さんベスト3を教えて」などという安易な質問をたまに戴きますが(笑)、こういう時に本気で悩んだ末、必ず名前を出したくなるのが、沼袋のたんどーる。インド料理の手法で、日本の食材を使ってカレー等を作っていて、しかもそれが実に美味しく違和感なく機能していて大好きなのです。
たんどーるのマスターは本当に料理が上手なのだと理解してましたが、それがどういうことなのかを教えてもらったりしました。

つい先日、昼間にアジャンタで修行した方のお店へ行き、夜にアジャンタに行く、という謎の行動をしました(笑)。
アジャンタの特色はバターチキンというわけではないし、アジャンタで修行した人のお店も、それぞれ味は似ていないことを再確認。たんどーるのマスターも実はアジャンタ出身と聞きました。
アジャンタで修行をすると、野菜や肉の切り方をはじめ、基礎的なことを徹底的にやるのだとか。基礎ができると、味付けなどをアレンジすることもできる。たんどーるは極端な例かもしれないけど(笑)。
そう言われれば、日本料理でも同じだもんなぁ…。インド料理の道も甘くないなぁと思いました(当たり前)。

一方では、わたくしの南インドの入り口となったダバ・インディア。ここで修行した日本人シェフのお店もいくつかありますが、そこは味の傾向が似てたりする。うーん。

他にも、最強インド料理マニアの料理研究家さんの話とかとりとめもなく。
結局、話し込んでしまい、集合時間ギリギリに戻ることになってしまった。危ない危ない。


無事に仙台のADLIBでも演奏ができました。木でできた内装だからか、やはり部屋がいい音します。狭いですけど。


狭いので、ちょっと変則セッティング。
でも何でもいーのです。演奏できれば。