一昨日、午前中に目が覚めてTwitterを見ると、北床氏がChristian Howes Group feat. Richard GallianoのNYからのライブ中継があることを紹介していました。
お陰様で無事に2ndステージからライブをバッチリ見られ、よい一日の幕開けとなりました。

そのライブは、昨年クリスがつくったアルバム"Southern Exposure" 収録の曲を実演したもので、アコーディオン奏者のRichard Gallianoを迎え、アルバム参加のピアニストJosh Nelsonも参加。非常に気合いの入った内容でした。

ライブ中継も見せてもらったし、せっかくなのでこの機会にアルバムの紹介をしようと思います!



アルゼンチンやスペインの音楽のスタイルに焦点を当てた(楽曲としてはブラジル人作曲家のものや、アフロ・キューバンジャズの楽曲も取り上げている)ジャズ・アルバムです。
これまたリズムセクションも強力で、複雑なアレンジの楽曲をサラッと演奏しているので、耳当たりはいいのに内容はすごいことになっているという、凄いアルバムなのです。
個人的には、Egberto Gismontiの楽曲を2曲も取り上げているのが目をひかれます。

"Southern Exposure" Christian Howes with special guest Richard Galliano
(Resonance records, 2012, RCD-1020)
画像1
1) Ta Boa, Santa? (Are You OK, My Dear?)
2) Aparecida
3) Oblivion
4) Cubano Chant
5) Sanfona
6) Cancion de Amor (Love Song)
7) Heavy Tango
8) Choro das Aguas (The Water’s Cry)
9) Tango Doblado (Bent Tango)
10) Spleen
11) Gracias For Ilustramos (Thank You For Teaching Us)

 Christian Howes(violin), Richard Galliano(accordion), Josh Nelson(piano)
 Scott Colley(bass), Lewis Nash(drums)


思えば、リシャール・ガリアーノを最初に聴いたのは、ジャズ研の同期にCDを借りたときでした。いま聴くと、バリバリのジャズのプレイヤーではないな、と分かるのですが、独特の恐るべきスピード感がある、素晴らしいプレイヤーだと思います。
このアルバムでまず驚いたのは、バイオリンとアコーディオンの音色の混ざり具合。音程などに疎い私が、ふたりのピッチ感の合い方が凄い、と最初に感想を持つ程でした。そして、リズム感やフレージングも全く違和感なく揃っている(ガリアーノ氏の独特のスピード感、と先ほど書いたのにも関わらず)ことが、よく考えると恐ろしいことです。

こういったアルバムを聴くと毎回思うことですが、各国のトラディショナル・ミュージックには、それぞれ伝統に裏打ちされた特徴的なリズムがあります。一流のプレイヤーはそれをエッセンスとして違和感無く取り入れ、ジャズの語法として消化して演奏している。僕ら若手のプレイヤーにとって見習わねばならないポイントだと思います。

ジャズに詳しいかそうでないか、に関わらず、全ての人にお薦めできる素敵なアルバムだと思います!