俺はその日、神奈川県某所に居た。自他ともに認める倹約家の俺は、繁華街の裏路地の駐車場に車を入れた。側には、ゆで太郎がある。そこで、もりを食うのが日課だ。もりしか食わねえ。せっかくの生そばを温めちゃ台無しだからな。

今日は、ちょいとばかし街の様子が違っていた。
野暮用を終えて戻ると、そこら中、趣味のよろしくねぇ車でいっぱいだ。俺の愛車プリ子の停まっている駐車場ときたら、通路にまで車を停めやがって、出られやしねえ。白のレクサス、クラウン、奥の外車は…何だったっけかな。これまた悪趣味だ。クラウンが好きならせめてクラウンハイブリッドにすりゃいいものを。
さては、近頃出しゃばってきていやがる組の連中だな…。上からは争わず、様子を見るように言われているが、構うものか。

「おい、てめえ等か。そこの邪魔臭えクルマ停めたのはよぉ。」

連中の顔色が変わる。

「誰に向かってクチ利いとるんじゃあ!?キサマどこの組の者じゃ!?」

「そりゃこっちの台詞だ。新参の癖に我が物顔で居座りやがって…」

言葉を遮ってプリ子が口を挟んでくる。

「アタシのために争いはやめて!!」






…なんて事はなくて、普通に「スミマセン、すぐどかしますから」って、持ち主に電話してどかしてくれたんですけどね。
あ、コレ、フィクションですから。半分くらい。

神奈川県某所から、今度は千葉に来てますー。
今夜もバリバリ演奏しますよ!